LOVEPAIN⑤
「ただね、成瀬ちゃんその電話の相手を確認して、



なんとも言えない複雑そうな顏をしてたんだよね~。

だから、仕事の電話ではないんだと思う」





「あ!それです!」





さっき、私が見た時もそうだった





撮影を終え、バスルームに向かって成瀬と廊下を歩いている時に、



掛かって来たその電話






成瀬はスマートフォンを手にして掛けて来ている相手を確認すると、



こちらが見ていて気になるような神妙な表情をしていた




だから、私も妙にそれが気になったんだ







「広子、俺、いつものように先二階に行ってるから」




「あ、はい」





「――はい」




成瀬はその電話に出ると、



階段の方へと歩いて行っていた






その時の電話を掛けて来た相手と、



今話している相手は同じなのだろうか?!



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