LOVEPAIN⑤
「心配しなくても、



もう俺は広子とは仕事以外で関係ないから」





「あ、冗談なのに、

そんな真剣に言わな――」





「もー、ナツキさん!

早く帰りましょうよ!



ここに車停めてたら、

他の利用者にも迷惑ですし」





これ以上余計な事を話させないように、



ナツキの腕を掴む






「じゃ、帰るとしますか。



じゃあ成瀬さん、

また会う事があれば」





「ああ」





ナツキがベンツのドアを開け運転席に入ると、



私は一度成瀬の方を振り返った





一瞬、目が合ったけどすぐに逸らされる






怒っているわけではなさそうだけど、



なんとも感じていないわけではなさそうな目





胸が締め付けられるような感じがした


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