LOVEPAIN⑤


『だから、俺言ったのに。
大切な相手ならばそんなに連絡しないなんて有り得ないって。

だから、ナツキさんもそう思っているって』




そんな事言っていたっけ?




“――大切な相手ならば、
10日間も連絡一つしないなんて有り得ないと思うけど。

ナツキさんだって、そう思ってんじゃねぇの?――”



ああ~、確かに言ってたけど、

そう言う意味だったんだ!



私、違う意味に受け取っていた



そう思うから大切じゃない私に、

ナツキは連絡して来ないんだって






『あ、帰って来ないならちょっと待って!

鈴木広子に誕生日プレゼントで曲作ったから』



「私に曲?」



『相変わらず、歌詞はないけど。
歌詞は自分の好きなように思ってくれたらいいから。

そのまま聴いてて』



多分、オンフックでハンズフリーか何かにしたのか、

涼雅の声が遠くなった



すぐに、アコースティックギターの音色が聴こえて来て、

涼雅の歌声が聴こえて来た



歌詞は、
またラララばかりのそんな歌



そのラララに、

私は頭の中で自分の思いを馳せる



その音色は、明るい




その曲を聴いていたら、

私の携帯電話が突然ナツキに奪われた

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