LOVEPAIN⑤
「あの、涼雅君だっけ?
突然電話替わってごめん。
ナツキですけど」
ナツキのその呼び掛けに、
受話口から漏れていたギターの音色が消えた
「ごめん急に。
うん。そう。
ホストの……。
そんな事迄、広子から聞いてんだ?
あ、そうそう…。
それ分かる。
あー、はいはい。
広子、有り得ないっしょ?」
チラリとこちらを見たナツキは、
照れ臭そうに私を見ているけど
涼雅、一体ナツキに何を話したのだろうか?
「とりあえず、
今から広子とそっち行くから。
だから、直接広子にその曲聴かせてやって」
えっ?
今からそっちに行くって……
「うん。じゃあ、後ほど」
ナツキは電話を切り、
携帯電話を私に返して来た