LOVEPAIN⑤


「うわぁ、時計……」



そこには、ピンクの文字盤に、

小さなダイヤが12コ埋め込まれた腕時計が入っている





「お前、時計してなかったから」



「あ、ありがとうございます」



こんな高級な物、
貰っていいのだろうか?




「ナツキさんが持っている時計と同じブランドだから、

やっぱりこれも500万円くらいするんですか?」




「いや。
60万だった」




60万円?


それでも、凄く高価な物には変わりない


ただ、先に500万円かと訊いたから、

どうリアクションをしていいのか分からない




「500万の時計じゃなくて、
悪いけど」



「いえ!

60万でも6万でも、
私には高級だしとても嬉しいですよ!」




なんだか、
私は一体何様なのだと、

自分で思ってしまった

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