LOVEPAIN⑤
「てめぇ、なんで泣くんだよ?」
「あ、嬉し泣きなんで気にしないで下さい。
このネックレス付けて貰っていいですか?」
「ああ」
篤は持っていたビールの入ったその袋を床に置くと、
そのネックレスを手に取った
向かい合ったまま、
篤は私の首の後ろに手を回して、
それを付けてくれる
触れてないけど、
首筋に篤の手の熱を感じた
「これでいいか?」
そう訊かれても、
鏡がないからどうなっているのか分からない
篤の手が私から離れると、
私はそのネックレスに手で触れた
それは、少しひんやりと冷たい
「ありがとうございます」
「ああ。
誕生日おめでとうな」
「はい!」
篤からそんな風にお祝いの言葉を言って貰えるとは思わなくて、
嬉しくて声が大きくなった
「てめぇ、うっせーし」
「すみません」
そう笑い合った