LOVEPAIN⑤



「今日の相手は、
俺だから」


そう言ったコウジロウさんの言葉が、

すぐに理解出来なかった



理解が出来た後も、
よく分からない




「今日、広子ちゃんと絡みをするのは、俺」


再度そう言われ、

本当かどうか確かめるように成瀬の方を見た



成瀬は、ああ、と頷く





「ハメ、撮りとか分かる?

あ、一応、普通にもう一台カメラも回すけど」



コウジロウさんは畳の上に置いていた小さなデジタルビデオカメラを拾いあげると、

私に向けた




撮られている、
と、息を飲む




「今日は、俺が広子ちゃんハメちゃおうと思って」



「う、嘘ですよね?

あ、台本見せて下さいよ!
まだ貰ってない」



台本にはきっと、
そんな事は書かれていないはず


きっと、コウジロウさんの冗談で




「台本も一応あるけど。
広子ちゃんは見なくていいよ。

俺に任せてくれたら」


そう笑い、私を見るコウジロウさんの目が怖かった

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