LOVEPAIN⑤



「広子ちゃんだって、
所詮は俺から見てAV女優で、素材や商品って風にしか見れない。

撮影が上手く行くように、

監督自らAV女優の機嫌取ったりするのも、
当たり前じゃん!

何を勘違いしてたの?」



「勘違い?」



勘違い、していんだ……



コウジロウさんが今迄私に対して優しかったのは、

私が商品だから



人と人として向き合って色々と相談に乗ってくれたり、

アドバイスしてくれているのだと思っていたけど


この人にとって、

それはただのお仕事の一つだったんた




「広子ちゃんはAV女優としては魅力的だよ?

その胸や股を舐め回したいって、

ずっと思ってた」


コウジロウさんの手が、
浴衣の上から私の胸に触れる



その口元がいやらしく歪んでいて、

今迄、コウジロウさんに対して寄せていた信頼みたいなものが、

ガタガタと音を立てて崩れて行くようだった




この人は、私が知っているコウジロウさんじゃない
< 625 / 641 >

この作品をシェア

pagetop