LOVEPAIN⑤
「――コウジロウさん。
信じていたのに」
彼に、失望してしまう
「信じるもなにも、
べつに俺は広子ちゃんを裏切ってもないし。
それより、後で編集が面倒だから、
余計な事ばかり話さないで」
もう仕事は始まっているんだ
町田さんが回しているカメラの映像は、
控え室に使っている部屋にあるモニターに映っている
今の私とコウジロウさんの会話も、筒抜け
向こうの部屋には、
コウジロウさんの奥さんの初音さんも居る
初音さんは、
旦那のこんな姿を今は見ているのだろうか?
コウジロウさんは私の浴衣を剥ぐように脱がせると、
露になった私の胸に顔を埋めている
私は悔しくて泣けてくるけど、
精一杯平然とした
コウジロウさんの愛撫にも、
感じてみせた
仕事なのだと、割り切ろう
そう思わないと、
心が痛くてズタズタになってしまう