LOVEPAIN⑤


『はい』


その声を聞いた瞬間、
さらに涙が込み上げて来る




「ナツキさん。
電話、今大丈夫ですか?」



『ん?大丈夫。
って言っても、
今客と待ち合わせしてて。

もう相手来るからあんま話せないけど』



「そうですか…」



べつに、何か話したい事があったわけじゃないのに、

がっかりとしてしまう




『なに?どうした?』



「いえ。

昨日も今日もナツキさんから電話無かったから寂しくて」



『へぇ~。
寂しいのは、お前だけじゃないけど。

あ、ごめん。そろそろ切るけど』



「あ、はい」



もう、タイムリミットか


早いな




「じゃあ、また」



『はーい』




切られるのは淋しいから、

自分から電話を切った
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