LOVEPAIN⑤


「私、ナツキさんの事は本当に大事です。
男性としても凄く魅力を感じています。

だから、それなりに好きだと言う気持ちはあります。

だけど」



だけど私は、
私の為に成瀬を殴ってくれたナツキよりも、

そんな成瀬の事ばかり考えてしまう




「きっとこの先も、
ナツキさんを男性として本気で好きにはなれないです。

やはり違うんです。
成瀬さんを思うみたいに、
ナツキさんの事を思えない」



やはり、成瀬に対して抱く気持ちとは違う




ナツキは私から見て、
優し過ぎる


なんで、って思ってしまうくらいに優しくて




だから、なのだと思った




こんなにも優しくされても、
一番愛しいと思えないのならば、

この先、これ以上ナツキを好きになる事はないだろう




それに、
そうやって優しくされる事が心地好くて、

この人と居たいと思うだけで



私はそれを、
恋心からなのだと勘違いしていたのかもしれない





今、そうやって本当の事を告げてしまって、

このまま私からナツキが離れてしまうならば仕方ないのかもしれない




「だから、俺だって広子の事、どう思ってるかよく分かんないから。

そんなマジで言わないでよ」


ナツキは呆れたように言うけど



私の手を握る手に、
力が入っている

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