LOVEPAIN⑤


「で、お前は何にすんだよ?」



「え?私」



突然そう訊かれても、
分からない




「じゃあ、お前はジュースでも飲んでろよ」



なかなか答えない私に業を煮やしたように、
篤はそう言う





「いえ!
私もお酒飲みます!

私はカシスソーダで」



須田のお店で飲んだそれが美味しかった



なので、頼んでみる



だって、お酒でも飲まないとこんな場やってられない!




「んじゃあ、生中3にカシスソーダ」


篤はそうその店員に告げた




ふと、芽衣子さんと目が合うが、
ニコッ、と笑顔を向けられた



これが成瀬の彼女じゃなかったら、

私はこの人に好感が持てるのに……



だから、適当に笑い返して、
俯きテーブルの上を見る



目に映るのは、

付きだしで出て来たなんの変てつもないただの里芋の煮物



丸いな



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