LOVEPAIN⑤


「お前は何がいいんだよ?
ちゃんと見とけよ」


そうメニューを手渡してくれる篤は、

私を気遣っているみたい



私はそのメニューを受け取り、選ぶ


ただ、成瀬が選んだ物の中に、
私が食べたい物はすでにけっこう入っていた




「じゃあ…。

バターコーンで」



子供の時から好きなそれに、
決めた




芽衣子さんが再び同じ男性店員さんを呼び、

料理の注文をして行く




「広子ちゃんは、バターコーンだよね?」


私と篤の会話を聞いていたのか、

そう訊かれてなんとなく嫌だった



それに、そんなちょっとした事でも、

芽衣子さんに頼りたくない




「バターコーン、一つ」


なので、私は自分で直接その店員に注文を告げた



芽衣子さんはそれを気にしている様子は無かったけど、

ふと成瀬の方を見ると、
少し不機嫌そうに私を見ていた





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