SillyToy


急いで、スタッフルームへ。
ここのオーナーの桑原さん(年齢不詳、だけどむちゃくちゃかっこいい兄ちゃんです)とは仲良し。
きっと会わせてくれるだろう、そんな期待を持って。








「・・・だめ?」


「かわいいかわいいお前でもだめだな。あいつらは顔見せたくないらしいから。」


「かわいくねーし笑
つか、お"ーね"ーか"ーい"ー!!!」


「だめなもんは、だーめ。」





こンの、ど け ち
まさかの、ってやつなんですけど。







「・・・ただ、ヒントくらいならやってもいいだろう、多分」


おっさん、あいつらにどやされないよね?とかなんとか言って桑原さんは、しゃべりだした。


バンド名はSilly Toy

全員高校1年生

ボーカル・ベースが女で

ドラム・ギターが男。


今日が初ライブだった、ということだ。




「・・・ふーん。」


冷静を装いつつ、でも心は様々な想いを抱えてる訳でして。


だって、ほんの2時間前までは俺と同じラインだったやつが、
あんなに客をアゲて、
ファンを作って、



そんなの
羨望やら悔しさやら持つに決まってるだろ?


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