ローリミー
Ⅰ
- 1 -
鮮やかな緑を私の視線が捉える。
纏められたクローバーから
いくつかが根ごと下に落ちていき、
どれだけの量が、その手に
握られているのかが分かった。
「…クローバー、好き?だよね」
「…へ?あっ!ありがと…ございます」
ズイッと押し付けられたそれを
私は慌てて受け取った。
よくよく見れば全てが四つ葉。
一体どこで手に入れたのか、
そんな事を考えても無理がないと思う。