ローリミー






なんて、恥ずかしながら自問自答のように

一人で内心暴れまわっていると

決心したように目の前から

静かに息を吐く音が聞こえた後、



「あの、さ」



と、遠慮がちに透き通った声が降ってきた。



「ははい!」



私は手に握り締めたクローバーを

さらに力を入れて握り締めた。



「…好きな人、とかって居ますか」

「………へ?」

「いや!ごめん、これ違う!!」



拍子抜けな質問に拍子抜けな声が出てしまう。

それが聞こえたのか、

自分に言い聞かせるように

その質問を慌てて取り消した。







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