私は彼に愛されているらしい

それってそういうこと

どうしよう、いきなり来た理由。

佳代が惚気たから私も会いたくなった~とか言ってみる?

でもそのテンションをずっと続けるのもかなり厳しそうだしな。

「みちるさん、コーヒーでいい?」

「あ、ありがと。えっとミルクは多めで…。」

「カフェオレにするんですよね?知ってますよ。」

お見通しだという言葉に含まれた私のもやもや要素がさりげなく影を落としてくる。

なんか、やだな。

「はい、どうぞ。」

来たばっかりだって言うのに帰りたくなったな。

自覚した後に言われちゃうと。

「え?どうしたの、みちるさん!?」

なんだか瞼が熱を持って視界が歪み始めてきた。鼻の辺りがムズムズする。

ああ、私、泣きそうになってるんだ。

「ちょ…なんで!?え!?」

横に座ったアカツキくんもかなり焦ってる、だって私だって泣けてきた自分に驚いてるくらいだもの。

でもどうしよう、落ち着きそうにない。

「アカツキくん。」

「なに?」

言葉も、止められそうにない。

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