私は彼に愛されているらしい
「今が楽しいなら…それでいいですよね?」

「みちるが満足しているならね。私は竹内くんを気に入ってるから、みちるが幸せならそれでいいと思う。」

「ふふ。お墨付き頂きました。」

舞さんの言い回しもくすぐったくて嬉しいものだ。

大丈夫だと簡単な言葉を口にするのではなく、少し癖のある言い方の方が心にしみるのは不思議な感じがした。

「あ、思いついたかも。」

私の名前の使い方。

「自信ありそうね。」

舞さんがそう言って笑う。たぶん、私のが移ったんじゃないかな。

だって私も舞さんが言ったように自信ありげに笑っていたはずだから。

「はい。自己満足でしょうけど楽しみになってきました。」

手帳を閉じて一息ついた。今日はもうこれでおしまいにしよう、そんなに焦ってもいいものが浮かびそうにない。

27なんて数字に拘る自分も少しどうかと思うけど、思いついて行動をしている自分は悪くないなんて思ってるのよね。

基本的にアカツキくんの方が夜も遅いし、そんなに頻繁に行き来していないから秘密で準備することは簡単にできそう。

大丈夫、ゆっくりと準備をしながら本番を待つだけだ。



そして1ヶ月後。



アカツキくんの誕生日は平日なため、私はお誕生日会をその前の週末に行うことにした。

この日くらいは私が仕切ろうと車も私が出すことにしている。だから自分の車の中にもいろいろと仕掛けることが出来たのだ。

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