私は彼に愛されているらしい
銀杏の葉も合わさって赤と黄色のトンネルが私たちを先へと促してくれる。

趣のある赤い橋を渡って川のせせらぎに耳を傾けた。

ただ美しい景色があるだけ、でもそれで十分に心が満たされるのは私たちが年を重ねていろんなものを感じるようになったからだと思った。

この自然に包まれるだけで心が洗われるようだ。

「いいな、この空間最高だ。」

誰に聞かせる訳でもなくポロリとこぼれた言葉はアカツキくんの本音だろう。私は嬉しくなって顔が緩んでしまった。

企み、成功です。

27個用意したプレゼントは順調に成功を収めていった。でもまだ始まったばかりだ。

「アカツキくん、こっち来て!」

時間を確認して私はアカツキくんの腕を強く引っ張る。

「え、なに?」

「こっちこっち。」

説明もせずに私はひたすら奥へ奥へと足を進めて古民家の様な食事処へ向かった。

後ろでお腹が空いてるのかと尋ねる声も悪いけど無視させていただきます。

「こんにちは。予約していた清水です。」

「はい、お待ちしておりました。」

2階へと案内される状況にてっきりご飯でも食べるのだと思っていたアカツキくんは疑問符だらけの顔で私を見つめてきた。

どうやら答えが欲しそうだ。

まあ当然かな。

「ここで蕎麦打ち体験の予約をしてたの。はい、これ。」

「え?」

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