私は彼に愛されているらしい

そして落とされる

デート。

…デート!?

本当だ…そうじゃん、明らかにデートじゃないの。竹内くんの言うとおりだ、何をどう考えたってこれはデートのお誘いだったじゃんか!

「言われてみれば、確かに…。」

「ちなみに勝手にとか言われた行動は男としてエスコートのつもりだったんですけどね。」

「…ですよね。」

恥ずかしい!!

今さら気が付いた自分の鈍さにも、今ここで置かされている状態にも、とにかく恥ずかしい意外に言葉がなくて思わず両手を頬に当てた。

熱い熱い!顔から火が出るってこの事だ、恥ずかし過ぎる!!

何より種明かしをさせてしまったことで竹内くんのプライドを傷つけてしまったのではないかと酷く後悔した。

「分かりましたか?」

先生みたいな口調で尋ねる竹内くんにはもう頭が上がらない。情けなくて恥ずかしくて、顔を上げることも出来ずに頷くことしか出来なかった。

最悪。なんてことしたんだ、私。

「はい。」

消えそうな声だがとりあえず返事はする。すみません、本当にすみません、気が付きませんでした。…ああそうか、だから舞さんも有紗もあんな風に楽しそうに私をつついてきたんだ。

痛いにも程がある。本当、私っていくつだろう。体年齢に精神年齢が全然追いついていない、なんてアンバランス。

「清水さんにはサプライズとかも通用しないってことがよく分かりました。当たればデカイけどそれ以外は無意味、まるでギャンブルですよ。清水さんって人に慣れるのにも時間がかかりそうだ。」

「…すみません。」

「惚れた弱みなんでいいですよ。長期戦で頑張ります。」

「へ?」

さらりと言われたことだが聞き流すことが出来ずに私は思わず間抜けな声を出して流れを止めてしまった。

うん、そうよね。やっぱり竹内くんは目を細めて睨みを利かしてきたね。

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