番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
「どうした、モモ?」
蒼介さんの優しい眼差しに包まれて、
慌てて、
言葉を返す。
「嬉しいっ!すごく嬉しいよ!
ただ……」
「一樹か?」
「……うん、お兄ちゃんのこともあるし、
その、いきなり蒼介さんが遊びにきたら
パパもママも
すごくびっくりするような気がして…」
「まぁ、でも
俺たちがつきあってるのは、
いつかバレるだろうしさ。
なにより、今まで
佐伯先生に
いろいろと世話になってきて
それなのに
佐伯先生に黙って
モモとつきあってる…ってのも
落ち着かないんだよ」
「そうだね」
蒼介さんの言う通りかもしれない。
蒼介さんは、
私と出会うずっと前から
パパのことを知っていて、
蒼介さんが
パパのことを
すごく尊敬しているのも、
パパに会いたがっているのも、
感じていた。
「とりあえず、モモの友達として
遊びに行くよ」
穏やかに笑った蒼介さんに
胸がキュンとする。
ただ、問題なのは……
「お兄ちゃん、どうしよう……?」
「んー…そうなんだよな…
あいつがいたら、俺のこと
家に入れないだろうな」
「………うん」
怖い顔をして
玄関の前に立ちはだかる
お兄ちゃんの姿が目に浮かんで、
ぶんぶんと、
頭を振った。