番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
カバンからお弁当箱を取り出すと
蒼介さんが私の手元をじっと見つめる。


「お前、マジで弁当作ってきたの?

適当に買って食うからいいのに。

……つうか、食えんのか?」



目を細めた蒼介さんを
じーっと睨む。


「ひどいっ。

お弁当はよく作ってるもん
お兄ちゃんにも…

い、いひゃい、いひゃいっ!!」



いきなりに頬っぺたを引っ張られて
涙目になる。



「おいおい、
お兄ちゃん禁止つっただろ。

もう忘れたとは、言わせねぇ。」




い、痛いし、怖い……



「ん、あ、ちょっと赤くなったな。」



そう言ってヒリヒリする頬を
手のひらでなでる蒼介さんを、

涙目でチラリとにらむ。


と………



チュッ。



!!!!!



「そ、そ、そ、蒼介さんっ‼︎ 」



突然、唇が重ねられて、

びっくりして目を大きく見開く。



「そ、蒼介さんって本当に日本人なの?

に、日本では
そんないきなりキスしないんだよっ!」




「別にいいだろ?
モモが可愛いんだから。」



「だ、だ、だって……」



動揺して頭が真っ白になってしまった
私の横で、

蒼介さんは平然とお弁当をとりだして
パクパクと食べ始めていた。



「………お、うまい。
普通に、うまい。

なんだ、モモ、料理できんだ?

ってか、これ、マジでうまい。
これ、また作って?」



お気に入りの甘口の卵焼きや、

悪戦苦闘して作った唐揚げを
あっという間に平らげていく蒼介さんを

とっても幸せな思いで見つめた。



がんばって作ってよかったぁ。




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