番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
授業が終わり、
教室がガヤガヤと騒がしくなった。


蒼介さんの授業が終わるまで
まだ少し時間があるので
教室に残って
授業で解き終わらなかった問題を
解いていると隣からの視線を感じた。


葉山くんが
茶色い前髪の奥から
大きな瞳を更に大きく見開いて、
こっちをじっと見つめている。



「佐伯さん、今、楽しい?」



「え?」



「楽しい?」



「うん、楽しいよ?」


葉山くんの
質問の意図がわからなくて
思わず首を傾げる。




「あのさ、無理して笑ってつきあうのが
佐伯さんの言う『好き』なわけ?

佐伯さん、
最近、全然楽しくなさそうじゃん。
そんなの、違うんじゃないの?」



「葉山くん?
どうしてそんなこと言うの?」



「べつに俺は佐伯さんの恋愛に
口出すつもりはないけど
そんな無理してまで
一緒にいる意味がわかんない。」



「……無理なんかしてない。」



葉山くんと視線を合わせないようにして
答える。


どうして、葉山くんに
こんなことを
言われなきゃいけないんだろう…
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