番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
黙って立ち尽くす蒼介さんの右手から
ポタリと、

血が流れる。


「そ、蒼介さん!
手が、血が!病院!」


慌ててカバンから出したハンカチで
蒼介さんの右手を包むと、


ハンカチが、じんわりと赤く血に染まる。


「どうしよう、早く!
早く病院、行こう!」



それでも、蒼介さんは立ち尽くしたまま
一歩も動こうとしないで、

じっと一点を見つめている。



「モモ、モモが不安になってることに
気づいてやれなくて、

ごめん。


ずっと一緒にいたのに
浮かれててお前の気持ち、

全然考えてやれてなかった。」



「そ、そんなの、もうどうでもいいよ。
だから早く病院行こう!」


とにかく早く病院に行ってほしくて
蒼介さんの左手を掴むけれど…


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