番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
自動販売機でジュースを買って
近くのベンチに座った。

包帯を巻いた蒼介さんの手が痛々しい。


「蒼介さん本当にごめんなさい…。」


そう言って
包帯を巻いた蒼介さんの手に
そっと触れた。



「モモ、キスして?」


「え?」


「モモから俺にキスして。」



「う、、うん。」



隣に座っている蒼介さんが
こちらを向く。


蒼介さんのシャツにギュッとつかまり
ゆっくりと蒼介さんに顔を近づける。


心臓がその鼓動を早めて、

指先が震える。


眼をつぶると、

そっと、自分の唇を


蒼介さんの唇に重ねた。



ドキドキして緊張して、お腹の下のあたりが
キュッとする。


すごく緊張するのに、
唇に感じる蒼介さんの体温に、

ホッと安心する。


葉山くんに触れられたとき、
すごく
すごく
嫌だった。


葉山くんの唇がかすかに頬に触れたとき、
ゾッとした。



私がドキドキするのは
蒼介さんだけなんだって、


あの瞬間、強く思った。



と、蒼介さんに
強く強く抱き締められて、

身動きが取れなくなった。


重ねられた唇から、

熱く激しい蒼介さんの想いが零れて
息が出来ず苦しい。


唇が、荒々しく重ねられて、
舌が激しく絡められる。


「そ、蒼介さん…」


目眩がしそうな激しさから
蒼介さんのやるせない想いが
伝わってくる。


あまりの激しさに頭がぼんやりとしてきた…


蒼介さんはゆっくりと唇をはなすと、
じっと私を見つめた。



「モモ、お前、今日、泊まってくか?」




「え?!」


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