番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
次々と華やかな光の塊が
打ち上げられるたびに、
夜空が一瞬明るんでは
その闇を取り戻す。
蒼介さんの頬をつたう涙が、
光の粒を反射している。
「この花火さ、
望が生きてた頃、
毎年、病室から見てたんだよ。
あいつ、病院で
育ったようなもんだったから、
すごく楽しみにしててさ。
病室のなかって、
いっつも同じ温度に保たれててさ、
暑さも寒さも感じないんだよな。
なんか、
季節とか全然わかんねぇっていうかさ。
だから
病室から見えるこの花火だけが
望にとって唯一
夏を感じられるものだったんだよ。
それで、毎年病室に集まって
家族でこの花火大会見てた。
親父とかビールこっそり持ち込んでさ。
すごく楽しかったよ。」
そう言った蒼介さんは、
花火を見ながら
目を細めて小さく笑った。
打ち上げられるたびに、
夜空が一瞬明るんでは
その闇を取り戻す。
蒼介さんの頬をつたう涙が、
光の粒を反射している。
「この花火さ、
望が生きてた頃、
毎年、病室から見てたんだよ。
あいつ、病院で
育ったようなもんだったから、
すごく楽しみにしててさ。
病室のなかって、
いっつも同じ温度に保たれててさ、
暑さも寒さも感じないんだよな。
なんか、
季節とか全然わかんねぇっていうかさ。
だから
病室から見えるこの花火だけが
望にとって唯一
夏を感じられるものだったんだよ。
それで、毎年病室に集まって
家族でこの花火大会見てた。
親父とかビールこっそり持ち込んでさ。
すごく楽しかったよ。」
そう言った蒼介さんは、
花火を見ながら
目を細めて小さく笑った。