番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
「でも、望が死んでからは……」



そこまで言って、
蒼介さんは言葉を切った。


散りばめられる光と闇、

体を揺さぶる破裂音と静寂が、

寄せてはかえす波のように
夏の夜を包む。



「望が死んで
嫌いんなったんだよ。

花火も花火大会もぜんぶ。


ガキの頃は、
耳塞いで、布団に潜り込んでた。


一樹たちとも花火大会にだけは
絶対に来なかったし、

これからも来るつもりなんてなかった。


でもさ、どうしてなんだろうな。

モモとここに来たいと思った。


お前と一緒に

花火をみたいと思ったんだよ。」




大きな花火の光のかけらが
空から降り輝くなか


静かに涙を流している蒼介さんの手を

ぎゅっと握った。





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