番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
「病室のガラス越しじゃなくて、

1度くらい、こんな近くから
見せてやりたかったな…。」



そう呟いた蒼介さんを見つめながら、

蒼介さんとつないでいる手のひらに
もう一度ぎゅっと、

ちからを込めた。



頭上からは心を揺さぶる破裂音とともに

光の粒がシャワーのように
闇夜に降り注いでいる。



「………蒼介さん。

空のうえから見るとね、

花火って、

光の粒を放出してる
ダイヤモンドみたいに見えて

すごく綺麗なんだって。


望ちゃん、
きっと空のうえの特等席から

すごく、すごく綺麗な花火みてるよ。」



そう言うと、

黙ったままの蒼介さんに

クシャっと頭を撫でられた。



見ごたえのある華麗な花火が
続けざまに打ち上げられて、

大きな歓声があがった。




周囲の歓声のなか、

聞き取れないほどちいさな声で

蒼介さんが呟いた。




「モモ、お前は、どこにもいくな。」


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