番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
しばらくそのまま抱き締め合い、
ゆっくりと顔を上げると


「今日のモモは大胆だな。
こんな人混みのなかなのに」

と蒼介さんは
ちょっと意地悪な顔をして笑った。

その表情に、
もう涙の跡は
かけらも残ってはいなかった。


いつもの蒼介さんにもどった。


そんな蒼介さんを見ていたら
どうしようもなく
愛おしくて愛おしくて
たまらなくなって…


蒼介さんの背中に回していた手を離すと
そのまま
蒼介さんの浴衣の胸元につかまり
背伸びをして
蒼介さんの唇に自分の唇を重ねた。


驚いた顔をした蒼介さんの真上に
またひとつ
鮮やかな花火が夜空を彩った。



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