番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
side/蒼介


「つうか、あの公園の工事って
いつ終わんだよ?」


一樹が机に足を投げだしながら
面白くなさそうに呟いた。


「計画道路工事着手って
書いてあったから、
しばらく無理だろ?」



「なんにしろフェンスに囲まれてたら
入れねぇからな。」



「ま、学校に来いってことだろうな。」



と、一樹とまったり話しているところに
洋二が教室に駆け込んできた。



「おい、蒼介!

お前、今朝も西学のめちゃくちゃ可愛い女に
声かけられてただろ?

最近、毎朝じゃね?」


女………?

モモじゃなくて?



「知らね」



洋二から視線をそらすと

俺の正面にまわりこんだ洋二に
ガッツリと肩を掴まれた。



「つうかさ、お前は来なくていいから
合コンだけセッティングしろよ。

あとは俺と一樹でうまくやっからさ。
な、一樹?

頼むっ、蒼介。
俺、あの子、めちゃくちゃタイプっ」


「つうか、お前のタイプじゃない女に
一度会わせろ…

お前、女なら誰でもいいんだろ?」


女なら見境なしの洋二に呆れながら、

俺の肩に置かれた
洋二の手を強くはらう。



すると、心外と言わんばかりに
洋二が言葉を返す。



「そんなことないって。
例えば、モ……」


「「モ……?」」



一樹と声が被る。


と、同時に一樹と俺で、

これ以上ないほどに
鋭利な視線を洋二に送る。



「『モ』……がどうした?」



モモがタイプとかふざけたこと言ったら
体育館裏に埋めてやる…


そう思い洋二をじっと睨みつけると


洋二はそんな俺の冷たく凄んだ視線を
挙動不審にかわして、


作り笑顔を一樹に向けた。



「違う違う♪

も、も、もー、森のなかで
出会ったような美少女だったからさ。

あの西学のコ。

な、一樹、興味あるだろ?
モ、森系?みたいな?」


洋二、いくらなんでも
それは苦しすぎるだろ…


と、一樹に目を向けると、


「西学ってあの超進学校の西学?
俺はパス。」


そう言って一樹は興味なさそうに
席を離れた。


ん?一樹?
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