番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
「あの、蒼介さん、ありがとう。
指輪ずっとずっと大事にするね。」



「いつかもっとちゃんとした
本物の指輪買ってやるから
それまでのつなぎだと思っとけ。」


そう言って柔らかく笑う蒼介さんに
笑顔で応える。



「学校がなくて、
お兄ちゃんと
パパのいないところでは
必ずつけるねっ!」



手のひらを朝陽にかざすと
左手の薬指で
キラキラと可愛い指輪が輝く。


うわぁ…



そんな私を見ながら
蒼介さんは優しく
私の頭をポンポンとかるくたたく。



「まぁ、なんか、かなり着用が
制限されてる気もするけどな…。


ま、いいよ。
これからは予備校で、
まわりがドン引くぐらい、
いちゃついてやるから。

そしたら誰も
お前に手、出さないだろ。」



「それは、嫌だよ…?」



「はぁ?なんで?」



蒼介さんの目が鋭く光る。




「…だ、だって、恥ずかしい…よ。

予備校でそんな…
勉強するところなのに……。

これからはちゃんと断る。

男の子に話しかけられたら
好きな人がいるって、

つきあってる人がいるって
自分でちゃんと言うから。

だから大丈夫だよ?
このペアリングもあるし。」


そう言いながら
嬉しくて嬉しくて
笑顔が零れる。


「ま、そうだな。
行き帰りに俺がいんだから、
簡単にお前に手なんて
出せるはずがないか。」



「うんうん。」



それに、いつもいつも
周りに注目されてるのは
私じゃなくて蒼介さんだよ……?
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