番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
そんなことを考えながら
廊下で立ちすくんでいると、


こつん!


後ろから軽く頭を叩かれた。


「蒼介さん…!」



振り返ると

蒼介さんが不思議そうな顔をして
私の後ろに立っていた。



「モモ?こんなとこでどうした?」


いつもは鋭い蒼介さんの瞳が
優しく揺れる。





「ん?…モモ、どうした?」



「あっ! 数学演習講座も取ろうかなと思って
申込書もらいにきたの。」


手にした申込書を蒼介さんに見せると…



「いつ?」


「長文読解のあと。」


「じゃ、ちょうどいいな。」



優しく笑った蒼介さんに

ちょっとだけ、ホッとする。




すると、蒼介さんに顔を覗き込まれた。



「モモ、どうした? 大丈夫か?」



ジッと、蒼介さんの瞳を見つめる。



「蒼介さん、私といて楽しい?

退屈してない?」



「いきなりどうした?

楽しいっつうか、
めちゃくちゃ嬉しいよ。

モモが俺と会うために

休みの日にも
予備校来てくれるなんてさ」



「……本当?」


蒼介さんの本心を知りたくて
蒼介さんの顔をさらにじっと見つめる。



「どうしたモモ?
なんかあったか?」



なにも、ないんだけど…

でも…



「退屈させてごめんな、モモ。
最近ずっと予備校だもんな。」



「私はどこでもすごく楽しいよ?」



「モモ、今日の帰りはさ、
ゆっくりしような」



そう言って蒼介さんに
笑顔で頭をクシャっとなでられた。


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