番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
「あれ?」


「あ、佐伯さん?」


そのとき、目の前を葉山くんが
通りかかった。



「……誰?」



葉山くんを目にした途端、

柔らかかった蒼介さんの瞳が
一瞬で鋭くなった。



蒼介さんが、


こ、こわい ……




と、葉山くんは
一向に気にする様子もなく

近づいてきた。


「K高1年の葉山です。

数学を佐伯さんと一緒に
受けてます。」


「は、葉山くん?!」



一緒になんて、受けてないっ!



「ちょうど良かった。
佐伯さん、これ。

先週までのプリント、
コピーしといたよ。
じゃ、来週ね。」



そう言って大きな瞳で
可愛らしい笑顔を見せた葉山くんは、

爽やかに、

不穏な爆弾を落として
去って行った。



< 71 / 204 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop