番外編☆獣系男子×子羊ちゃん
「モモ、なんか、あったのか?」
お財布や携帯をカバンに詰め込みながら
お兄ちゃんがチラリと私を見た。
少し悩んで、
言葉をつなぐ。
「あのね、お兄ちゃん。
前につきあってた人や
好きだった人に会ってみたいと思う?」
蒼介さん以外のひとと
付き合ったことのない私には、
よくわからない。
「は? 元カノに?
全然思わないけど?」
自転車の鍵を取り出しながら
キョトンとしてお兄ちゃんが答えた。
「ま、友達同志で大勢で集まるときに
たまたま元カノがいれば
普通に遊んだりはするけど。
わざわざ会うとか
普通しないだろ?
つうか、俺の場合
むしろ会いたくねぇな。」
自分で聞いたんだけど、
お兄ちゃんの元カノとか、
ちょっと聞きたくなかった。
「モモ? どうした?
なにふてくされてるんだ?」
「ふてくされてないけど、
お兄ちゃんにも、彼女いたんだね」
「あ……」
気まずい顔をして
一瞬、お兄ちゃんが口を閉ざした。
むむっ。
じっと見つめると、
言い訳をするようにお兄ちゃんが続ける。
「そりゃ、ま、俺はいいんだよ。
男なんだから!
モモはまだ子どもだからダメ!」
「そんなの、ズルい…!
2歳しか変わらないのに!」
「モモは20歳になるまで、
家で大人しくしてればいいんだよっ!」
「そんなのおかしい!」
「おかしくないっ!
男なんて、ロクなこと考えてないんだから
お前に彼氏なんて100万年早いっ!」
声を荒げたお兄ちゃんに
肩を落として
小さくたずねる。
「………蒼介さんもそうなのかな?」
「は?蒼介がどうしたって?」
「元カノさん…とか」
蒼介さんの元カノさん…と、
口にするだけで、
なんだか気持ちが重く沈むよ……
「あいつの場合は
元カノなんて、たくさんいすぎて
誰一人まともに覚えてないんじゃねぇか?
あいつ、
なんにも考えてなさそうだったし。」
たくさん、いすぎて………?
「なにかあったのか?
別れるなら反対しないけど?
むしろ、積極的に協力するけど?」
ニッコリと笑ったお兄ちゃんに
断固、抗議する。
「違うっ! そうじゃないっ!」
「じゃ、どうしたんだよ」
じっと私を見つめると、
お兄ちゃんは小さくため息をついて、
荷物を置いた。
金色の髪が揺れて、
お兄ちゃんの優しい眼差しが
私を包む。
その眼差しに背中を押されるようにして、
言葉を紡ぐ。
「あのね、蒼介さんのことを信じてるのに、
不安になる気持ちはそれとは
別っていうか……
自分の目で見たことや
聞いたことだけを、
信じようって思ってるの。
すごく蒼介さんが
大切に想ってくれてるのも
わかってるの。
それなのに……」
そこまで言うと、
お兄ちゃんは階段に座り込んで
金色の髪をかきあげながら
少しためらいがちに話し始めた。
お財布や携帯をカバンに詰め込みながら
お兄ちゃんがチラリと私を見た。
少し悩んで、
言葉をつなぐ。
「あのね、お兄ちゃん。
前につきあってた人や
好きだった人に会ってみたいと思う?」
蒼介さん以外のひとと
付き合ったことのない私には、
よくわからない。
「は? 元カノに?
全然思わないけど?」
自転車の鍵を取り出しながら
キョトンとしてお兄ちゃんが答えた。
「ま、友達同志で大勢で集まるときに
たまたま元カノがいれば
普通に遊んだりはするけど。
わざわざ会うとか
普通しないだろ?
つうか、俺の場合
むしろ会いたくねぇな。」
自分で聞いたんだけど、
お兄ちゃんの元カノとか、
ちょっと聞きたくなかった。
「モモ? どうした?
なにふてくされてるんだ?」
「ふてくされてないけど、
お兄ちゃんにも、彼女いたんだね」
「あ……」
気まずい顔をして
一瞬、お兄ちゃんが口を閉ざした。
むむっ。
じっと見つめると、
言い訳をするようにお兄ちゃんが続ける。
「そりゃ、ま、俺はいいんだよ。
男なんだから!
モモはまだ子どもだからダメ!」
「そんなの、ズルい…!
2歳しか変わらないのに!」
「モモは20歳になるまで、
家で大人しくしてればいいんだよっ!」
「そんなのおかしい!」
「おかしくないっ!
男なんて、ロクなこと考えてないんだから
お前に彼氏なんて100万年早いっ!」
声を荒げたお兄ちゃんに
肩を落として
小さくたずねる。
「………蒼介さんもそうなのかな?」
「は?蒼介がどうしたって?」
「元カノさん…とか」
蒼介さんの元カノさん…と、
口にするだけで、
なんだか気持ちが重く沈むよ……
「あいつの場合は
元カノなんて、たくさんいすぎて
誰一人まともに覚えてないんじゃねぇか?
あいつ、
なんにも考えてなさそうだったし。」
たくさん、いすぎて………?
「なにかあったのか?
別れるなら反対しないけど?
むしろ、積極的に協力するけど?」
ニッコリと笑ったお兄ちゃんに
断固、抗議する。
「違うっ! そうじゃないっ!」
「じゃ、どうしたんだよ」
じっと私を見つめると、
お兄ちゃんは小さくため息をついて、
荷物を置いた。
金色の髪が揺れて、
お兄ちゃんの優しい眼差しが
私を包む。
その眼差しに背中を押されるようにして、
言葉を紡ぐ。
「あのね、蒼介さんのことを信じてるのに、
不安になる気持ちはそれとは
別っていうか……
自分の目で見たことや
聞いたことだけを、
信じようって思ってるの。
すごく蒼介さんが
大切に想ってくれてるのも
わかってるの。
それなのに……」
そこまで言うと、
お兄ちゃんは階段に座り込んで
金色の髪をかきあげながら
少しためらいがちに話し始めた。