君がため惜しからざりし命さへ
貴女が、僕が人間を殺す事に少し迷いを覚えていたのを見抜いて それを教えてくれて、
それで一緒に 殺した人間を供養するのに付き合ってくれて、
手を合わせたら、本当に心が少し軽くなったような気がして…、
それから、必ず"お墓"を作った。
いつしか供えた植物が成長して、緑が広がって、
色とりどり の 花が咲いて…、
現実とは裏腹に、そこは天国のような 場所に なった。
もしも、貴女を殺す時が来たら――
貴女には、今までの お墓と比べ物に ならない位の、たくさんの花を……。
そうしたら、そのあと僕は もう何も食べないよ。
それで空腹を通り越して動けなく なったら…、
貴女の隣りに 行くからね。