君がため惜しからざりし命さへ
"あれ…?
何で君は『此処』に…?"
穏やかな声が聴こえて、
同時に、世界は真っ白に。
…私は まだ喋れないのですか…?
伝えたい事が たくさん、あるのに……
…………
"そうだ、迷ってるなら ここに行ってみると いいよ"
…穏やかな声の主は、
とても素敵な…人間の王子様、でした。
指し示した地図は ぐねぐね うねって…、
一緒に世界も湾曲していきます。
あぁ 一体
私は 誰に、何を、伝えたかったのでしょう…?
分からないまま、
王子様の顔も歪んで溶けて…