君がため惜しからざりし命さへ
……私が世界で唯一、助けを求められる存在…、
「貴方」に、もう1度だけ 会いたい。
会うだけで、いい。
我儘は もう、言わない。
でも神様は……。
"会いたい"と願う事すら、許してくれませんでした。
真っ黒な壁。
寂しげな荒野。
色 鮮やかな、かざぐるま。
煙突から昇る いくつもの白い筋。
緑の草原。
薄暗い路地。
今まで見た景色が走馬灯のように
次々と流れて……。
最後に私の眼に映ったのは――
…間違い、ありません。
私を殺したのは、他の誰でも なく…
私 自身でした。