無口な彼が欲望に忠実すぎて甘い

『うん?』の違い





だからその日も、目は合わないんだと思っていた。



いつもみたいに丁寧に黒板を消しながら、やっぱりなにもなかったじゃない、と白井君の奔放さを改めて実感していた。



ふっと背後に息を詰めた気配を感じて振り返ると、



―――っ?!



いつものように、白井君が立ち去っていなかった。




黒板と、教卓の間の私にとっては十分すぎるほど狭い空間に二人は真正面から向き合って立っていた。




『……放課後』




いつかのように一瞬ぐっと腕を引っ張られ、段差から落ちそうになって一気に近づいた整った顔にどぎまぎしていると、


何がなんだかわたらないままに解放されて白井君は今度こそさっと立ち去ってしまった。






< 14 / 14 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

胸キュンっ♡

総文字数/5,408

恋愛(純愛)13ページ

表紙を見る
片想い日記

総文字数/10,758

恋愛(純愛)23ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop