隣の津川さん
また朝が始まる。

今日も自転車日和。

さわやかな快晴だ。

リュックを背負い、ミス・バタフライ号にまたがりいざ出発。


「おはようございます。」

後から声がする。

自転車通勤仲間のサラリーマンかしら?

振り返って、また驚いた。



「昨日はどうも!」

お隣の津川さんだった。

「ごいっしょしていいですか?」

本田は戸惑いながらも答える。

「ええ、まあどうぞ。」

サイクリングロードに2台のマウンテンバイクが並んで走る。



「本田さんて学校の先生だったんですね。」

「はあ。」

「びっくりしましたよ、あんなところで会えるなんて。」

会える・・・って。

それは会えて嬉しいという意味を含んでいると受け取ってよろしいのでしょうか。
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