隣の津川さん
「ほ、本田さん……」

津川さん目がうるうる。

泣いちゃう?もしかして泣いちゃう?

津川さんまたもや、本田を抱きしめる。

「本田さん、すみません。心配かけました」

本田、思考能力ほぼゼロ。

「ちょっと、そこの色男!」

宮田のばあさんが口をはさむ。

「なんかお取り込み中で悪いんだけどさあ、あんた本田さんと結婚する気ないんなら、本田さんはうちの息子と一緒になってほしいんだよ、私は。だからねえ、この場ではっきりさせておくれよ!」

「え、本田さん、二股かけてたんですか?」

「ち、違いますって、滅相も無い!」

本田ぶんぶん顔を横に振る。

「何言ってんだい。あんたが二股の張本人じゃないか!」

宮田のばあさん、仁王立ち。
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