隣の津川さん
「津川さんこそ、通訳のお仕事されてたんですね。私こそびっくりしましたよ。」

「ははは、それくらいしか能がないんでね。」

こういうことを言っても嫌味に感じない。

これはこの人の人間性か?

それとも私が好意を持っているからなのだろうか?



「ぼくね、今日はお隣の小学校での国際交流教室に行くんです。それじゃまた!」

津川さんは一足先にサイクリングロードを降りて一般道に行ってしまった。


本田はペダルを漕ぐのをやめて、津川の後姿を見送っていた。

「津川さん・・・。」
< 11 / 131 >

この作品をシェア

pagetop