隣の津川さん
津川さんは葛巻さんに詰め寄られたものの、落ち着いていた。

そしてゴホンと咳払いを一つした。

「私は、本田さんとずっといっしょにいたいと思っています。本田さんといると私は心から安らぎを感じるんです。それに本田さんのことを愛しいと思うんです。いじらしいほどのかわいらしさが彼女にはあって、それが私を魅了するのです」

夢じゃないだろうか。

目の前の津川さんは金色の粉をまとったようにきらきら輝いている。

そしてずっとずっと夢に描いていたことを、しゃべっている。

本田はふらふらっと体が揺れた。

「ちょっと本田さん、あんたちゃんと聞いているのかい？　これって一世一代の名文句だと思うよ」

宮田のばあさんが本田のおしりを思いっきりひっぱたいた。

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表紙・目次

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