隣の津川さん
「本田さん、私と結婚してください」

津川さんはそう言うと、本田の右手をとって、くちづけをした。

これは夢?

夢なら、王子のくちづけで魔法が解けて美しいお姫様が現れるはず。

しかし、現実は本田はやっぱり本田のままだった。

そして津川さんは優しく微笑む。

「はい、よろしくお願いします」

夢ではない。

今本田は確かにプロポーズされたのだった。



そこへ突然、本田の部屋のドアが開いた。

つかつかと誰かが入ってくる。

一同、侵入者に注目。



「しょ、庄司さん?!」



そこに立っていたのは、田舎へ帰ったはずの庄司さんだった。



「なんと、そういう結末になったとは……」
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