隣の津川さん

どうする本田

どうしよう！！！！

困った。

でも行ってみたい。

でもそんな見ず知らずの男性の家にのこのこと出かけるなんて・・・！？

でもどんな家なのかのぞいてみたい。

ああ、どうする本田！！！


本田はスケジュール帳を開いた。

日曜日・・・なにも予定が入っていない！


呆然と立ち尽くす本田。

ふと横を見ると、鏡に映った自分の姿がそこにあった。

実年齢は35歳だが、緊張感の全くないその顔は40歳と言っても違和感がない。

まずい！

老化が加速度的に進行している。

いつのまにかシミが増えている。口角が下がり、顔全体がリフトダウンしている。

なんとかして食い止めねば！

本田はシャワーを浴び、とっておきの高級パックを施した。

デパートの美容部員に勧められ、断る理由が見つからず買う羽目になったとっておきのやつだ。

今まで使う機会がなく、引き出しの奥深くで眠ったままになっていた本田の家の化石がついに日の目を見ることができた。

実は本田は思い込むととことん突き進むタイプだ。

普段地味に暮らしているだけに、いったんスイッチが入るとすさまじいパワーが沸き起こる。

まさに今スイッチが入った。