隣の津川さん
こんなときは眠ろう。

時計など気にしないで、寝たいだけ寝よう。

目が覚めたときは、今の気分よりは多少よくなっているはずだから。


本田は化粧も落とさず、涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔のままベッドに入った。




どれくらい眠ったのだろう。

のどがからからに渇いている。

本田はよろめきながらもベッドから起き上がった。

寝室からキッチンに行くにはいったん廊下に出て、玄関の前を通ってキッチンに入る。

玄関に出ると何かポストに差し込んであるのに気づいた。


「なんだろ?」

黒い封筒だった。

明かりをつけてその封筒を開けてみた。



「津川には気をつけろ!」



はっ?

しかもご丁寧に新聞の活字を切り取って便箋に貼られていた。


これって脅迫状?

いったいなんのために?
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