隣の津川さん
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出してごくごく飲んだ。

東京の水もずい分きれいになったと言われてはいるが、故郷の井戸水にはかなわない。

あの天然ミネラルウォーターに勝るものはないと本田は信じている。

というわけでせめてミネラルウォーターだけは買って飲むようにしている。

本田のささやかな贅沢だ。


それにしても・・・。

本田はテーブルの上に謎の手紙を置いて考え込んだ。


誰がなんのためにこの手紙をポストに入れたんだろう・・・。

そう考えながら頬杖をついたら、手がべたべたした。

そうだった。

化粧も落とさずに寝てしまったんだ。

それに・・・自分自身が匂うような気がする。

まさか加齢臭?

そう思った途端さらに落ち込んだ。



とりあえずシャワーを浴びよう。


時計を見ると午前3時だった。
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