隣の津川さん
「やだねえ。」



・・・・・・。




何?いやだって?




本田は無言で庄司さんの後ろに回り、膝の後ろに本田の膝を入れた。

庄司さんはがくっと力が抜け、よろけた隙に本田は写真立てを奪いとった。


「き、きたねえぞ!」

庄司さんが取り返そうと飛び掛ってきたので、本田は写真立てを胸にトイレに飛び込み鍵をかけた。

同じ間取りでよかった。


庄司さんが悔しがってトイレのドアをどんどん叩いている。


「学校の先生やってるくせに大人気ないぞ!」



本田は写真立てを見た。

そこには3人が写っている。

ちょっと若い津川さん、ゴージャスな美女の外人、その美女によく似た女の子。


これって!

ちょっと津川さん、結婚していたの?

しかもあんな外人美女。

娘はハーフよね。

半端なくかわいい・・・。


本田はショックで便座から立ち上がれなくなっていた。



外ではまだ庄司があきらめきれず、騒いでいる。


「俺だってまだよく見てないんだぞ。早く出てきて返せよ!」
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