隣の津川さん
ピンポーン。

「やっと来ましたね。」

津川さんが出迎えに立った。



「コンニチワ~!」

明るい外国人が3人やってきた。

「紹介しますね。ドミニク、ディディエ、フランソワです。三人ともフランス人ですが、日本語話せるから大丈夫ですよ。」

3人は日本式に深々とお辞儀をした。

「あっ、国際理解教室の・・・。」

咄嗟に本田が声を上げた。

「まあ、しらさぎ小学校の先生でしたか!」

フランソワさんは親しげに握手してきた。



「この人たちずい分日本流なのね。残念だわ!ハグしないなんて。」

葛巻さんが軽く舌打ちした。

「チュッ、チュッできると思ったんでしょ。いい年なんだからみっともない。」

庄司さんは今がチャンスとばかり軽くジャブ。

「熟女よ、私。これから一花咲かせるんだから。水を差すこと言わないでよ!」

二人のやり取りを聞いていたドミニクさんが口を挟んだ。

「そうですよ、マダム。恋は永遠にできるんです。あなたの考えはすばらしい!」

ドミニクさんはラテン系の顔立ち。

言うことも情熱的だ。

「まあ、嬉しい。ドミニクさんとは気が合いそうだわ♡」

葛巻さんの声が艶っぽくなったのは気のせいではない。

ちゃっかりドミニクさんの隣を陣取り、他の人を寄せつけない。



げっ!

葛巻さん、別に津川さんじゃなくていいんだ。

すごい熟女パワー。



とはいえ、葛巻さんのお目当てが変わりそうな雰囲気に本田は内心ほっとしていた。

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