隣の津川さん
「津川には気をつけろ!」



あの手紙を出した犯人の手がかりに、ここで出会えるかもしれない・・・。

そう思ってきたのだけれど、来た人全員が怪しい。



葛巻さん、庄司さん、ドミニクさん、ディディエさん、フランソワさん。



5人とも普通じゃない・・・。


この空間の中でまともなのは、私と津川さんだけってこと?



津川さんの方に目を向けると、津川さんも本田のほうを見ていた。

目が合ったことに気づいて、津川さんは本田の元に近づいてきた。

「本田さん、ワインいかがですか?」

津川さんは、ワイングラスに真紅のワインを注いだ。

本田に勧めるとこう言った。

「本田さんのこと心配していたんですよ。」




来たーーーーーーっ!!!





これです、これです。

津川さんの魅力は。

こうやっていやらしさがなく、でも本当に親身で・・・。



うぐっ。


庄司さんがこっち見てる!

くそーっ。

今ならワインの勢いで津川さんの前で乙女になってもいいとマジで思っていたのに・・・。

あいつに見られてると思ったら、下手なことはできない。

悔しい!
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