隣の津川さん
寝ている津川さんを起こすのもかわいそうなので、本田は一人で脅迫状を開けることにした。

慎重に封筒をはさみで切ると、また新聞の活字を切り抜いた文字を貼り付けたものだった。

「今度はなんて書いてあるんだろう。」

さすがに3度目だ。

本田の方もなれたもの。

恐怖よりも楽しみの方が強い。



「なになに・・・『これ以上津川に関わるな。関わればおまえに不幸が訪れる。』って、そう来たか!」


これってさ・・・。


もしかして・・・。


本田、頭をフル回転させて分析する。



まず、脅迫状第一号。

『津川には気をつけろ!』

このとき、本田は津川さんにかなり惹かれ、片思い状態。


続いて脅迫状第二号。

『津川を助けられるのはあなたしかいない。』

このとき、フランソワが出現し、本田失恋確定の状態。



そして今回の脅迫状第三号。

『これ以上津川に関わるな。関わればおまえに不幸が訪れる。』

このとき、本田は自分の愛を貫こうと腹を決めた状態。
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